本能レベルで男は美人に「恐怖」している

この章のポイント

  • 進化の歴史上、男性は「美女」に対してビビるように遺伝子レベルでできている
  • ダーウィンの進化論を心理学にもあてはめた学問である「進化心理学」を知ることで、美人がモテない理由とその対処法が分かる

あなたが美人なのにモテない・彼氏ができない本当の理由を説明します

まず「モテる」とはどういうことでしょうか。

人によって「モテる」の意味のとり方は違うと思いますが、ここでは単純に「男性から好かれて彼氏ができること、結婚ができること」としたいと思います。

おそらくこれを読まれているあなたとしては、
美人な自分に彼氏がいなくて、ちょいブスな女の子には彼氏がいる(あるいは結婚している)
という現実に対して

「男どもは見る目がない」
「世の中が間違っている」
と不満に思ったり

あるいは
「自分はキレイな方だと思っているけど、本当はすごくブサイクなんじゃないだろうか」
「自分では気づいていないだけで、ものすごく性格が悪いんだろうか」
と不安に思ったりしているのではないでしょうか。


けれども安心してください。
おそらく、あなたは他人の目から見てもキレイな「美女」でしょうし、性格もそんなに悪くはありません。

「でも、だったらどうして私には彼氏ができないんですか!?」
と言いたくなるでしょう。

そこで、これから私がお話することを理解できれば、あなたは「美人なのにモテない」のではなく「美人だからこそモテない」のだということが理解できると思います。


人間の「心」の進化と「モテ」

「美人だからこそモテない」とはどういうことなのか。その説明をするためには「進化心理学」という学問についてお話しなければなりません。

進化心理学とは、ダーウィンの進化論を心理学にも応用した学問です。

ダーウィンの進化論はご存知でしょう。「適者生存」と言われるように、環境や状況にうまく適応した遺伝子が残ることで、生物は少しずつ進化をしてきて今日の姿がある、という学問です。

進化心理学は、私たちの「心(脳)」も、同じように進化をしてきて、今日のような「心(脳)」になっている、と考える学問です。

たとえば「高所恐怖症」というものがあります。
高いところに行くと、足がすくんでしまって動けなくなったりする心の問題ですが、「高所恐怖症」の人じゃなくても高いところに行ったら足がすくむのが普通だと思います。高所恐怖症の人はその程度が普通の人よりもちょっと激しいだけです。
ではなぜ私たちの「心(脳)」は、高いところに行ったら足がすくむようにできているのでしょうか。

進化心理学では「高いところに行ったら足がすくむ心(脳)」を持っている生物(遺伝子)の方が生き残って子孫を残しやすかったためだ、と説明します。
つまり
・高いところに行っても、いつも通りに普通に動きまわるような生物(遺伝子)よりも
・高いところに行ったときには、慎重に安全に動こうとするような生物(遺伝子)の方が
(事故などで死ぬことが少なくて)長生きして子孫を残せたので、そういう遺伝子が残った、というように説明するのです。

もちろん遺伝子には「突然変異」がありますし、すべての生物が同じ遺伝子を持っているわけではないので、個体差があります。
それでも、多くの人に共通する「心(脳)」というのは、このように進化論から説明ができると考えるのが「進化心理学」という学問です。


また、別の例でいうと、多くの男性は「ウェストのくびれ」に魅力を感じます。
これを進化心理学から説明すると「妊娠しているかどうか」の判断にしているのではないかと考えられます。

昔、人類の祖先は、洞窟やほら穴に数十人規模で共同で住んでいたと言われます。
またその当時は「夫婦」という概念も弱く、数十人規模の「大きな家族」のような状態だったそうです。

暗い洞窟の中で魅力的な相手を見つけて子どもを作るためには、いろいろな「心」の働きが必要だったと考えられます。
また、間違えて妊娠中の女性とHをしても子どもが生まれませんから、妊娠していない女性を見つけることも必要だったでしょう。

そのときに、ウェストがくびれていれば、暗い洞窟の中でもシルエットだけで「妊娠していない」判断ができます。
その判断ができない男は、結果的にあまり子孫を残すことができずに滅んだものと考えられるのです。

そのようにして「女性のウェストのくびれに魅力を感じる遺伝子」が今日まで残っているのではないか、というのが進化心理学からした「ウェストのくびれ」の説明です。

このように進化心理学を用いることによって、「男女の魅力」についても合理的・科学的な説明ができるようになるのです。


「美人」の多くは権力者の妻・彼氏だった

さて、進化心理学について一通りの理解をいただいたところで、人類の歴史における「美人」の立ち位置を考えてみましょう。

一夫一妻制がはじまったのは、農耕がはじまった新石器時代、紀元前6,000年前頃からだと言われます。
それまでの人類の数十万年の歴史においては、一夫多妻制が当たり前でした。今でもイスラム教などでは、1人の男性が4人までの妻をめとってよいことになっています。
一夫多妻制の場合は、集団の中のリーダーとなる男が、複数の女性を妻にすることとなります。

そのときには、権力を持った強い男が「いい女」を手にしていたことでしょう。
となると、一夫多妻制の時代には、美人な女性がフリーでいることなどありえず、「美女=権力者の妻」である可能性が非常に高かったわけです。

そんな状況で、男がとるべき戦略は何かといえば、「美女に対して警戒をすること」です。
なぜなら、うかつに美女に手を出したり、美女を怒らせたりしたならば、その背後にいる権力者の怒りを買って殺されたり、集団から追放されたりする(=ほぼ死を意味する)リスクがあるからです。


そのため、男性は美女を前にすると緊張したり、ビビったりしてしまうのです。
遺伝子レベルでそうなっていますから、モテる男でも同じです。(もちろん、モテる男の中には訓練で克服している男もいますが、最初からビビらない男はいません)

時代が違えば、あなたも「町一番の美女」として、その土地の有力者や貴族の第1夫人、第2夫人になっていたわけですから(またそういう時代が人類の歴史の大半なのですから)
並の男があなたのような美女に対してビビるのは当然といえるでしょう。

そして後ほど詳しく説明しますが、女性は自分に対して緊張したり、ビビったりする男性を好きになれないようになっています。
そういう男性を「変」「キモイ」と感じてしまうようにできているのです。
ですから周りに「変」な男性や「キモイ」男性が多いようでしたら、それはあなたが美しすぎるためかもしれません。


さて、美しすぎるあなたに対して、男性はビビってしまうものだということが分かれば、あなたがモテない理由はもうお分かりですね。

そう、あなたは「美女だからモテない」のです。

男性からすれば「ちょいブス」くらいの女の子の方が(命を取られるリスクがないと遺伝子が判断するので)積極的に恋愛できます。
なので「ちょいブス」な女の子はモテて、あなたのような美女が売れ残ってしまうわけです。

私たちの「心(脳)」の大部分は1夫多妻制の時代に発達したにもかかわらず、今日の先進国の多くでは1夫1妻制が取られるために起こる悲劇と言えるでしょう。

では、そんなあなたのような美人が「モテる」にはどうすればよいのか。これも進化心理学が教えてくれます。

Content

あなたがモテ美人になるためのSTEP


1. 美人なのに、なぜか彼氏ができない本当の理由は遺伝子のせい
あなたがモテない理由を説明するには、人類の歴史から話さなければなりません。これが分かると、なぜ美人よりも「ちょいブス」くらいの女の子の方がモテるのか、遺伝子レベルで理解できるでしょう。